ぬっと現れるシニアカー。〜田舎の老人とコミュニケーションを取る方法〜

午前中の仕事を終え、一段落して休憩していると音もなく老人が現れる。
シニアカーに乗っている。
シニアカーは電動なので音はほとんどしない。静かだ。
それにのって突然現れると気配も何もないので驚かされる。
やってきたのはお隣のご主人、80歳代の男性だ。
男性は日曜日の道普請の時間を伝えに来てくれたのだが、いつも認知なのか、そうでないのかよくわからないことを言うため全く信用できない。
突然現れ、道普請の時間を伝えてくれたのはいいが、絶妙な間を開けながらポツポツと話を続ける。

庭の柿の木にまとわりついているツタを切った方が良い。
私の畑の耕運の仕方がよくないので、見栄えも悪く、今の状態では野菜が植えられないのではないか。
外に置きっぱなしにしている道具が風雨に晒されるからちゃんと片付けておいた方が良い。
外に吊るしてあるにんにくを今年植えるのか。
自分の畑に植えてあるカボスを収穫した。

 

とまぁ、このくらいのことを20分くらいかけて喋っていった。
一体どこまで喋るのかわからず、ただただ、頷き、相槌をうち聞いた。
そうです、あなたの言うとおりです。と。
体も動かないし、口だけ出す老人に本来なら用はないのだが、老人の方から絡んできてくれるので相手をしないわけにも行かず、なんとも長い20分を過ごした。
言いたい放題言って話が途切れた所で老人は気が済んだのか、静かにシニアカーをバックさせて帰っていった。
バックもコンクリートと土の界、ギリギリまでバックするので危ない。見ていてヒヤヒヤする。
颯爽とうちの坂を降って帰っていった。

さて、次に現れたのは自称滝の上のおばさんと自分を名乗る女性だ。
女性はとなりの家の奥さんを探していた。
いないのでちょうどいた私に話しかけたというわけだ。
この新キャラ、滝の上のおばちゃんには前にいろいろ諭されたことがある。

1ヶ月くらい前のことだろうか。
私がシングルマザーであることはこの地区の人はみんな知っている。

そのことについて、なぜ結婚しないのか。結婚しないと子どもたちに悪影響だ。
そしてなにより子どもがかわいそう。
早く結婚して”普通”の生活を送りなさい。あなたも一人で大変でしょう。こんな田舎でシングルマザーなんて。早く実家に帰った方がいいんじゃない???

 

みたいなことをつらつら言われて、言われてる私は反論するのがめんどうだったので適当に相槌を打って、さっさと話を切り上げて帰らせたのだが、帰る時にも人の家の裏を覗き周り、家の改修費の心配もし、関わるとろくなことがない老人なので極力顔を合わせないようにしている。

思っても面と向かってよくこんなこと言えるなとドン引きした。
自分がどんなにえらい立場なのか??どういう感覚で物事を言っているのか全く理解できない。

 

というふうに田舎にもいろいろな老人がいて、ジェネレーションギャップもたくさん体験することができる。
それをいちいち気にしてても始まらないのでそうですね、そのとおり、と軽く聞き流しておくことがいちばんの解決策だろう。

気にしなければいつか言わなくなるし、こちらが無駄に相手をすると調子にのるので、いつも平常心で聞き流しておく。それが私なりの田舎での老人とのコミュニケーションだ。

 

作成者: Haru

シングル百姓。 農業を初めて6年目、猟師見習い中。大分県竹田市の消滅集落で一軒家を借りてDIYリフォームし住んでいる。2人の娘、ネコ2匹と暮らしている。

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