ニワトリをいただく。

先日ニワトリをさばいた。

初めての経験だ。

イノシシや鹿はさばいたりするけど。

 

なぜさばくことになったのか。

その日の朝早く、師匠の猟師さんから電話がある。

今日、イノシシが3頭かかったのでさばくからこい

との電話。ちょうどその日、畑の仕事など入っていたため午前10時くらいに行きますと返答。
急いで用事を済ませて9時半過ぎ、解体場所へ到着。
するともうおじさんたち3人でさばいた後でくつろいでおり、もう何もすることがなかった・・・。
ので、とりあえず雑談に加わり、話を聞く。

話題はどんどん飛んで、ニワトリの話になる。

ニワトリを飼っているひとが、増えすぎて困っているから持って帰ってと言っている。

どこからかその情報が入り、話の流れで、私がもらいに行くことになった。
(その家の場所・・・おじさんたちの頭の中の地図で会話しているのでさっぱりわからない・・・おじさんたちは土地勘もあるし、竹田市や、近隣の市町村の地図はほぼ完璧に頭にはいっており、どこの誰の家だとか、誰の実家だとか、あの家は訳ありだとか近隣の状況まで全て把握しており、それをもとに話すのですごいデータ量だ。尊敬する。私はGoogleマップ片手に話を聞くが、細かい場所まで把握できず断念・・・近隣のことならGoogle先生より詳しいおじさん集団だ。ただ難点は、情報がマニアックすぎて、一体どこのことを言っているのかわからないので、そんなときはGoogleマップを見せて、説明してもらうのが一番だ。)
まぁ、飼えれば飼ってもいいのだが、あいにく、今はニワトリ小屋を作る時間もないし、飼える状況ではない。その旨を話すと、食べればいいんじゃない??という話になる。
ということで、食べるためのニワトリをもらいに行くことになったのだ。
解体場所から車で15分ほど。おじさんの車の後についてこいと言われついていく。(ちなみに案内人のおじさんとは初対面だが、猟をしているとすでにその仲間に私も入れてもらっており、よく可愛がってもらえるのだが、そのおじさんが一体なんという名前で、どこの人とか、年齢とか全く不明だ。いつもそう。どこの人かわからないおじさんと会話することはよくある。おじさんが私のステータスに詳しいということは言わなくてもわかるだろうが。)
山のてっぺんにあるおうちに行くため、ほそ〜〜〜い道をどんどん登っていく。
なんか本当にすごい細い道で、車一台がやっとの道幅だ。
ほんとに、ほんとに、すごいところ←何回も言うけども・・・ほんとに
よく、こんなところに家を建てたなというところに家があった。
家の土地も最大限に利用しており、山の斜面みたいなところにニワトリ小屋が転々とあった。
そのなかの1棟のニワトリ小屋からニワトリをもらうことになった。
何羽いるか??と言われたのでとりあえず2羽くらいで・・・と言ったのだが、4羽持って帰れ、と、強制的に決められた。
案内人のおじさんがニワトリ小屋から捕まえて出してくれたニワトリの足にビニール紐で足をくくる。
おじさんはタバコを加えてひょいひょいニワトリを出していく。すごい芸当だ・・・。私もこうなるのだろうか・・・。
ということで、写真のニワトリをいただいた。オス2羽とメス2羽。
そこからが大変だった・・・。

実際にさばく。

さばきかたは、ニワトリの頭を叩いて脳震盪を起こしている間に首を切って逆さに吊るして血を抜いてから、お湯をかけて羽を抜いてさばいていく。
この工程を口でいうのは簡単だが実際やるとかなりの重労働だ。
言われた通り気絶させ、首を切って足から吊るす。
1時間から2時間くらい待って、お湯を沸かしてニワトリにかけて、毛をむしる。

そうやって4羽さばいて肉の塊にした。

肉は、次の日に炊き込み御飯にして食べたのだが、本当に美味しくて良い出汁を出してくれた。
ニワトリに感謝。命に感謝。

命の大切さ

よく、命の大切さというが、スーパーに並んでいる肉や魚はその命を私たちの食事のために使っている。
動物はかわいそうだ。でもその動物たちのおかげで私たちが生きているのが現実だ。
だから絶対に目を背けてはいけない場所。
だと、私は何もしていないときはそう思っていた。
実際にこういう現場に立ち会うと、山からの恵み、だから一つも無駄にせず大切にいただくという、猟師さんの気持ちがすごくあることがわかったし、そこに感動した。
山からの恵み。
害獣駆除といって毎年お金はもらえるのだが、そのためだけに罠を掛けたり銃を持つのはどうかと思う。
私たちと全く変わらない命だし、生きている、生活している。
彼らがいなくなったら山はどうなる??
北海道の狼だって、いなくなった途端鹿が増えてという話もある。
お金のためだけにどんな獲物も捕獲していたら今の生態系はどうなるだろうか。
確かに昔はイノシシなんて一年に1〜2頭捕獲できれば十分だったとおじさんたちが口をそろえて言っている。
現代はどうだろうが。畑に降りてきて作物を食い荒らしたり、悪さをする。
でもイノシシの生活圏がこうなったのも人間のせいなんじゃないかとも思う。現代の生活に近くなるにつれ、山と人間の生活は離れていった。薪も炭も、木も少しずついらなくなる。・・・少しずつ人間が山から離れていくと・・・。野菜も品種改良され、明らかに昔より美味しくなっている。それも原因なんじゃないかなと思う。楽に美味しいものが食べられる。畑がある。

まぁ、理由はいろいろあるだろうが、このようにイノシシや鹿が増えてきて、害獣駆除と叫ばれるようになり、どんな小さなウリ坊でも捕獲するようになり、山の環境は少しずつ変わっていっている。

だから、お金のためだけに、害獣駆除のためだけにとやるのはやっぱり間違ってるんじゃないかなと思う。
お金のためだけにやるひとは、山に駆除した害獣を捨てて帰ると聞いたこともある。
同じ命だ・・・お金のためではなく、自分の生活のために私は猟師になろうと決めた。
だから大切に命をいただく。今回さばいたニワトリたちの命も大切に美味しくいただいた。

ありがたい。
その気持ちを忘れないように、これからも猟師の道を辿っていきたいと思う。

 

 

作成者: Haru

シングル百姓。 農業を初めて6年目、猟師見習い中。大分県竹田市の消滅集落で一軒家を借りてDIYリフォームし住んでいる。2人の娘、ネコ2匹と暮らしている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です